K-1Works
Top | ばななはあと | 輪行記 | Tea | Accessories | BBS | Link

benkei.jpg

セイロンベンケイソウ補足


「マザーリーフ」「ミラクルリーフ」「葉から芽」「トウロウソウ」等の呼称がある、葉っぱの縁から芽が出て増えるベンケイソウの一種。
(マザーリーフやミラクルリーフは単なる商品名で、中にはたまに近親種の別のベンケイソウもある。)
こちらも小笠原、南西諸島方面で自生している。が、近所のホームセンター等で売られていたりもする。
うまく育てると2年くらいで2月ごろに花が咲く。
大抵の場合、葉っぱから発芽する様子の面白さにハマり、果実がつくわけでもないのに、なぜか育て続けている人が多い。


開花を目指すためのポイント。(=短日性)

基本的に約70cmの背丈にまで成長すると花芽を付ける可能性があります。
目安としてそこまで育てるのに2年程度かかります。

セイロンベンケイソウの花期は基本的に2月です。
但し実際には短日植物であるために、それぞれの株に与えられる短日条件の程度でかなりばらつきがあるようです。
12月から9月くらいまでの開花は確認しましたが、人工的な短日処理で年中可能かもしれません。

短日植物というのは暗期(=夜)が一定時間以上の長さになる日が数日間続くと花芽をつける性質(短日性)を持つ植物をいいます。
つまり日本では秋から春がこの条件に当てはまり、この時期の夜に照明などの光をあてるなどして夜を短くしたり「長い夜を2つに分断」すると短日条件がリセットされ、花芽がつかなくなることもあります。
このように花芽分化は明期(=昼)に関係ないので、よくいわれる「日が短くなると花が咲く」というのは正確ではありません。

ということで開花のための原則はまず、限界暗期(=最低限花芽をつけるために必要な暗期の長さ)の確保、つまり「夜の暗さを確保すること」です。

ですがこれはあくまで花芽分化の絶対条件であるだけで、植物である以上、成長には昼間の太陽光線も当然必要です。
昼の日照量を確保することもあわせ、メリハリのある「昼夜の明暗のサイクル」も重要です。

亜熱帯の植物で2月が花期ということで、通常内地では冬に室内で越冬させることになりますが、室内ではこの「昼夜の明暗のサイクル」が確保しにくいのです。
夜に照明の明かりがある室内は勿論だめですが、窓際でも昼間十分な自然光が確保できていない室内も意外と多いのです。
室内では自然の光周期をいかに取り込むかがポイントになります。

一方、一度花芽分化が起こってしまうとその後は短日条件に関係なく花がつきます。
セイロンベンケイソウは通常、順調に自然光の短日条件下におかれると12月中〜下旬頃に花芽分化が起こりますので、12月が比較的温暖な地域ではこれを利用して花芽分化するぎりぎりまで屋外で生育して、花芽が付いたら室内に取り込むという手段もあります。
その場合は寒さで株の体力が失われますので、春から夏の成長期に肥料等を使用して栄養を与えておくことをお勧めします。
霜さえ降りない場所ならば、少々の夜間の氷点下でも耐えるくらいの耐寒力をつけることも可能です。
但し枯れてしまう危険性もありますから無理はしないで下さい。

一度開花した元株は枯れますので、子孫を残すには子株の株分け、新芽の挿し木、あるいは「葉から芽」、等で世代交代をする必要があります。
花にはおしべめしべがあり、花粉で受精させることも出来そうに見えますが、肝心の種子が出来ないようです。


404038.jpg404030.jpg

左:花分解その1。外の部分は「苞」なのか「ガク」なのか?
右:分解その2。おしべ8本、めしべ4本。



開花後の花をそのまま放置しておくとタネをばらまくようなしぐさも見られます。
元々はタネが出来ていたのかもしれません。


801232.jpg801231.jpg

左:本来「タネ」が入っているであろう部位。
右:ちゃんと開いて中から未成熟の「タネ」(中に見える黒い粒)がばらまかれる。



栽培開始時からのダイジェスト


206191.jpg207122.jpg

左:石垣系の元の葉。(2002/6月)
右:発芽後。(2002/7月)


207151.jpg211171.jpg

左:土に植え替え(2002/7月)
右:波照間島より持ち帰った葉。(2002/11月)


301153.jpg302151.jpg

左:初越冬「石垣1号」(2003/1月)
右:植え替えた「波照間1号」(2003/2月)


ページ先頭へ