2004年10月 いきなり越冬
9月末の「メアリー」(台風21号)の通過後、昼夜の寒暖差が気になって、バナナを屋外に戻すべきかどうか悩んだ。
屋内外の差も含め、あまり極端な温度差にさらすのも気が引ける。
ギリギリまで屋外に出しっ放しにしていて急変させてしまった昨年の事もあり、早い目に屋内の温度の安定した状態に移行させてみようかという、安全策というか消極的な理由なのだが。
左:「2号」。葉が本棚の上に達する。
右:「3号」は「メアリー」の頃から成長に鈍さが。
密封してハダニを駆除する方法を試す。
左:効果はかなりなのだけれど。
右:最初は本棚の左にあったが窓(右側)の方に寄っていく葉。
結局、急遽そのまま屋内越冬することに。去年と比べ約半月早い。
昨年のテント型簡易温室は保温効果は高かったのだが、ハダニのこともあり今年は通気性も考慮して設営はなし。面倒くさいことも少しはあるが。
それに「部屋の中にテント張ってる変な人がいる」とか、「ホームレスの練習してんの?」ってネタにされるし・・・。
この時点では「葉から雫」は「2号」のみになっていたが、新しい葉を伸ばすことはどちらの株も続けている。
ただ「3号」は少し遅くなってきているのでこちらは停止するのも時間の問題かもしれない。
ハダニの発生がやはり急に早くなる。
夏の間も発生はしており、定期的に「粘着くん」で駆除を繰り返していたが、室内ではまるでペースが違う。
室内では「粘着くん」は使えないので去年も苦しんだ越冬時の難問だ。
そこで、ネット上で見かけたビニール袋を使った駆除法を試してみた。
葉に湿気を与え、ビニール袋で密封して湿度に弱いハダニをやっつけてしまうという単純な理屈のものだが、効果はかなりのもの。
3日程密封してみた結果100%とはいかないものの、95%くらいは死滅している模様。
ただ、3日は長過ぎのようで葉が湿気でフニャフニャになっているのが気になる。もう少し短い期間の方がよさそう。
でも結局、完全駆除出来ないという事はまた大量発生になるということで、いずれまた駆除作業は必要になる。
バナナ栽培に限らないことでハダニは本当に厄介な害虫だ。
チリカブリダニ(ハダニをエサにする天敵)でも入手出来たら面白そうなのだが。
左:「2号」にさらに大きな葉。
右:上から見ると葉が多すぎる?
左:両株のサイズ比較。窓の高さは約180センチ。
右:結局全ての葉は垂れる。徒長してるのかな?
もう一つ不安。
日照不足という問題。今年は昨年より大きな状態(特に2号)での越冬なので、当然上部の方には光が当たりにくい。
仮茎の傾きの原因の一つと考えているのだが、実際に「3号」が窓の方に傾き始め、「2号」の最新の葉もどんどん窓の方に寄っている!
一方向にしか窓、ベランダが無く、そのベランダにも天井があるという一般的な集合住宅ならではの難題でもあり、室内では採光がさらに困難になる。
普通の蛍光灯では太陽光とは違うし、かといって植物育成灯をつけてもどれくらい効果があるのかなぁ。と悩んでも何も結論は出ないのでとにかく鉢を180度回転させ、傾きを修正させる試みだけ。
それにしても「2号」の葉が急に大きくなっている気がする。
と思ったが、開いた後に計ってみるとこれでも最新の葉身は1メートル。
確かに栽培を始めて以来、最大なのだけれど。
解っていたつもりでも次第に島バナナの現実のスケールのデカさを目の当たりにして先行きにかすかに不安が。
但し、やはり月末になると成長はほとんど停止状態に。潅水ペースを2日に一回にする。
左:10月と思えない青空。
右:最後の収穫は10センチ級を筆頭に計4個。
左:「あばし」撤収。
右:後は「葉から芽」のみ。
左:中段付近は「紅葉」を始める。(波照間1号)
右:頂上部の葉は健康な色。
「あばし」の撤収はウリノメイガの「第3波」とアブラムシ発生で決断した。
(ウリノメイガ=成虫がバナナのある部屋に飛んでいるのを発見したということもあるが。)
水の吸い上げも10月に入り思わしくなく、実の成長もかなり遅くなっていたので本当は月初に撤収してもよかったけれど、あまりの青空につい引き延ばしてしまった。最後は大きなものでも10センチ。
「トカゲ」(台風23号)は当地にほぼ直撃。
全国で大被害だったのが信じられないくらいで、台風らしさは通過後の吹き返しの強風だけだった。
これもベランダには影響せず、「葉から芽」は何事もなかったかのよう。