紅茶の分類1
好みの紅茶を見つけだすことはなかなか困難です。
まずは紅茶の種類分類をある程度頭にいれておくと、商品名や産地などからおおまかなイメージを見い出す手掛かりになります。
「茶」の木の種別
大きく中国種とアッサム種に分けられるが、今では交配も進んでいるので厳密にはっきり分けられるわけでもない。
中国系種
一般的に低木でタンニンの含有量が少なめ。水色、味、香り、全てに繊細な感がある。
インドのダージリン、スリランカのハイグロウンティー、中国の紅茶、烏龍茶、日本をはじめとする緑茶にこの系種が多い。
アッサム系種
19世紀はじめにインドのアッサムで新種として発見される 。
高地には向かない。タンニンを多く含み、紅茶向きの種。
茶葉等級(葉のサイズ)
「等級」といっても決して「格付け」ではなく、茶葉の「形状」、「サイズ」を示しているもの、というのが一般的です。
でも、どうしてもホールリーフ(カットされていない葉)の方が高値のものが多いうえに、やたらと「高品質だ!」といわんばかりの形容するアルファベットの長い列が付いてると、そっちの方が美味しそうに思えてなりません。
例えば、「S.F.T.G.F.O.P.」(スペシャル・ファイン・ティッピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)と「P」(ペコー)と2つの紅茶にそれぞれ表記されて、前者の方が高い値段が付いてると普通はそう思うはずです。
ましてや「D」(ダスト)などと書かれてると、それを買うことすら貧乏くさく、恥ずかしく思えてしまいます。
高級茶葉の「D」は実際に美味しいのに、見栄えがしないだけで安いというメリットもあるのですが。
でも、そんなことをいったところで残念ながら言い訳にしか聞こえません。
(実際には日本では「D」を置いている店はほとんどないと思いますが。)
ここでは特に茶葉の形状、サイズからくる違いを、アルファベットの数の多さ、値段や品質を無視して、3つのタイプの紅茶の入れ方(紅茶の抽出時間)、ストレートティー向きかミルクティー向きか、の目安(あくまで目安)と置き換えておおまかなグレードの種類だけを紹介することにします。
ホールリーフ(フルリーフ)タイプ
葉をカットしていないもの。抽出に時間がかかるので茶葉の量を少し多めに使うもよし。「ティップ」が含まれるほど香り高いものが多い。ストレートティー向き。
S(スーチョン):枝の下の方の大きな葉。
P(ペコー):枝先から3番目の葉。
OP(オレンジ・ペコー):もとは枝先から2番目の葉。針金状に細長い形になる。
FOP(フラワリー・オレンジ・ペコー):まだ開いていない若い葉「ティップ(芯芽) 」を含むOP。
ブロークンタイプ
葉をカットするもの。繊維が切断されているのでホールリーフより早く抽出される。
ストレートなら茶葉量を控えめにするか抽出時間を短め、ミルクティーは長めに。
BOP(ブロークン・オレンジ・ペコー):OPを細かくカットしたもの。
BP(ブロークン・ペコー):Pを細かくカットしたもの。
ファニングスタイプ
細かく粉に近いもの。抽出時間は特に短くティーバックにも使われる。
ティーバックでないものはミルクティー向き。
BOPF(ブロークン・オレンジ・ペコー・ファニングス):BOPを細かく砕いたもの。
D(ダスト):ほとんど粉末状態のもの。
注:CTCとは
茶葉の等級ではなく CTC製法 ( CTCと呼ばれる揉捻機が使われる一種のアンオーソドックス製法)の全ての紅茶を示す。