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茶が美味しくなる急須の条件

試してみる価値はあるかどうかは別として、「美味しくなる」急須を探してみました。
ここでもまずルーツである中国の茶器にも注目してみます。急須のミニチュアのような中国茶器「茶壷」(チャフー)にもヒントがあるはずです。

「茶壷」では高級品とされる「紫砂」(シサ)というのをよく目にします。やはり良質の「紫砂」産地である宜興のものが有名です。
「紫砂」は岩(中国では泥という表現が用いられる)をねかせて粘土(陶土)にしたもので、「紫・紅・緑」の3種類の「泥」を混ぜ合わせ焼かれる陶器です。
金属分を多く含み、(カオリンも含まれているらしい?)焼き上げる温度も調整することで様々な色が出るそうです。

そして興味深いのは、たたくと金属的な音がし、硬質という磁器に近い性質も持っていること。

高温で焼き固められた薄手のものは特にそうした性格があり、吸水性や保温性はやや下がるものの「香りがたちやすい」と聞いたことがあります。
この「磁器に近い陶器」という中国茶器の方向性は興味あるものです。
しかもこの吸水性から、丁寧に手入れをしてやると使い込むほど独特のつやを出し、茶味もよくなるという「養壷」(ヤンフー)という概念もあります。
ですが「茶壷」は小さなサイズで紅茶にはやはり向いていません。
まして高価で入手しにくい「紫砂」などといっても、なかなかそこまでは手が出ません。
ならば、日本の急須に近いものが存在していないのでしょうか?

実は探さなくても急須で有名な常滑焼にその代表的な急須で知られる「朱泥(しゅでい)急須」があります。
実際、これを「茶壷」の代用に使う人は珍しくありません。これなら簡単にしかも比較的安価に手に入れられます。
「紫砂」のうちの「紅」泥に極めて近い性質の、水田の底土「朱泥」という鉄分を多く含んだ陶土を焼き固めるもので、あざやかな朱色でも有名な急須です。


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