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ポットか急須か?

紅茶をティーポットで入れるだけでなく、日本茶用の急須を使って入れる人もかなりいるのではないでしょうか?
急須だと内側に茶漉しがついててティーストレーナーが不要で片手でも注げるなんて考える人もいるのではないでしょうか?
(めんどくさがりな私もその一人です。)
紅茶も緑茶も同じ「茶」なので全く問題ないように思えます。
が、ティーポットと急須の違いが紅茶の味に違いを与えないのでしょうか。
陶器と磁器の性質の違いもあります。
急須で紅茶を入れること自体は問題ないでしょうが、それぞれの特徴を知って使い分けたり、手入れにも注意したいものです。


陶器と磁器


磁器は石を粉砕したものを土(粘土)と混ぜたもの(磁土)を高温で焼いたものです。
白い色と透光性、硬く焼き固められ気孔が少ない、たたくと金属的な高い音がする、等の特徴があります。
ボーンチャイナはイギリスで、牛骨灰を2割程度土に混ぜることで発明されました。一般の磁器より白く、硬質です。
また、骨灰比率50%で「ファインボーンチャイナ」として区別されています。

一方、陶器は陶土(粘土)を低温で焼きます。
土に含まれる金属分が化学反応を起こして独特の色合いがあらわれます。
また、素地が荒く多孔性で保温性に優れ、吸水性があるのも特徴です。
この土に含まれる金属分と吸水性のよさが「アクがとれる」「まろやかになる」とされるポイントです。


ティーポットと急須


ティーポットは有名なところでは磁器のものが多く、イギリスの「ウェッジウッド」、ドイツの「マイセン」などがそうです。
これらは磁器のなかったヨーロッパに中国の景徳鎮(ケイトクチン)地方から伝わった磁器をもとにして発展してきた経緯があります。
後にドイツで発見された天然磁土は景徳鎮の天然磁土の産地「高嶺山」(カオリンザン)にちなんで「カオリン」と呼ばれるようになり、「マイセン」の登場につながります。
天然磁土の見つからなかったイギリスでは「ボーンチャイナ」が発明され、「ウェッジウッド」が有名になります。
(「チャイナ」は「中国」の意味以外に「磁器」を指す言葉でもあります。)

一方、日本の急須で有名なのは、常滑の陶器の急須が一番でしょうか。
磁器の急須も存在しますが、日本では茶器として陶器の方が「アクをとる」「まろやかになる」という考え方や観賞用としても根強い人気があります。
日本の急須の原形は中国の宣興 (ギコウ)から伝わった陶器の茶器だとされています。
「磁器の景徳鎮」「陶器の宣興」と、陶磁器も「茶」と同様、中国にルーツがあります。


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