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石垣島を走る。

荷物を受け取った後、空港外で早速自転車を組む。

はやる気持を抑えて携帯ポンプで空気を入れ、破損箇所がないかチェックする。
ギアやチェーン周りはよくトラブるらしいので念入りにチェックする。
まだ、自転車持参で飛行機に乗ることが珍しいのか、結構周囲からの視線を感じる。
ちょっとした優越感、と言いたいところだがクソ暑いし、早く街に出たい。なぜか、数カ所ビスが弛んでいたが閉めなおす程度で済んだ。

横のタクシー乗り場に座っていた配車係らしいおっちゃんが、ちらちらとこちらを見ながら喋りたそうにしているのに気が付いた。
黙々と作業してたのでタイミングが無かったのだが、目が合った瞬間、「道は分かる?」とついに話しかけてきた。かなり世話好きそうなおっちゃんだった。
「どっちが出口ですか?」と喋り終わる前に、
「左に出てずーっとまっすぐ行ったら、港にでるよ。」と教えてくれた。
大体聞かれることは同じなのであろう。いや、多分聞かれなくてもそう教えているのかもしれない。
空港から出てきた人はタクシーか、バスに乗り込んでいく中、おっちゃんに一言礼をいって、港に向かって自転車で走り出した。

道なりにまっすぐ走る。
そこそこの広い通りだが、周りにはそんなに建物はない。原っぱが多い。
強い日差しにさらされ続けているが、とにかく道なりに進むだけ。横を街に向かってタクシーやバスが追い抜いていく。
今日はこのまま港に出て、まずは明日乗り込む高速船の出る離島棧橋を下見したあと、今日の宿に向かうことにしていた。関西空港から石垣島の直行便が着く時間には、もう波照間に渡る船の最終便が出る時間になっているので今日は石垣島止めになるわけである。

そんなわけで急ぐこともなく、のんびりペダルをこいでいたせいか、20分程かかって港に着いた。
ひと通り離島棧橋を見てまわる。明日は最大の難関、揺れの激しいことで有名な高速船にここから乗らなくてはいけない。気が重くなるが、あまり明日のことは考えず、楽しい晩飯のことを考えよう。
今度は今日の寝床まで向かう。頭の中にだいたいの場所を記憶していたつもりだったので目印になるはずの建物を探しながらまた走り出した。

しかし、やはりというか、こんな時は道に迷ってしまうものである。
目印がない。というか見落としたのか。やむを得ず、道ばたでガイドブックを開く。そこで、迷った理由に気付いた。
それは思っているよりもはるかに街が小さいということだった。
だいぶ行き過ぎている。
路地のような通りもガイドブックの地図には大きく書き込まれている。

ようやく今夜の寝床の場所に辿り着く。そこは小さな看板だけの普通の家を改造した民宿である。


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