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波照間へ。

朝6時、目が覚める。

まだ室内も外も薄暗い予感。 枕が変わると朝早くに目覚めるこの癖、どうにかならないものか。
波照間行きの1便は8時30分だったはずだから、まあいいか。

布団から出ようと身体を起こす。あれ?平衡感覚がない?
軽い二日酔いのようだった。気分が悪いほどもひどくないが、身体を起こしていると辛い。
また布団の上にころがる。
結局、宿を出たのは10時過ぎになってしまった。 酒に飲まれるいつもの悪いクセに少々反省。次の2便にはなんとか乗らないと。

島に渡る2便は11時、少し時間があったが、離島棧橋に行って自転車を置き、しばらく「730」近くを散策。
のつもりが、「フラフラ」している。まだ少し気分はすぐれない。
ペットボトルのお茶を買って結局すぐ棧橋に戻ることにした。

先に安永観光で往復のチケットを買って棧橋前のベンチでへたり込む。
こんな調子で船に乗って大丈夫だろうか?かなり不安。
予想では波照間に向かう方はそんなに揺れないはずだが。いや、もう揺れないことを祈るのみ。

棧橋には船が何度か入れ替わりしていたが、出港時刻になろうとしているのに、「あんえい78号」はいっこうに現れない。
棧橋でも安永観光の人やおそらく同じ船を待つ人が何やら話しているので、遅れてるということは察しがついたのだが。
これが「八重山タイム」というやつか。
同じ時間に波照間に向かうもう一隻の高速船は目の前でもう出ていってしまった。
2つある船会社の一方は時間通りなのに「そんなに遅れてるんやろか?」と不安に思いはじめたが、入れ替わるようにようやく「あんえい78号」がやってきた。

どうみても小さい船。
胴長なスタイルの他の船とくらべると波を切って進むクルーザーといった感じ。なぜこの船だけ特別なのだろうか?

約10分ほどの遅れで乗船客を入れ替えると、とっとと棧橋を離れていく船。
早めに乗船体制で待機していないと間違いなくこれは放って行かれるだろう。
畳まなかった自転車は屋外のデッキに転がせておくしかないのだが、固定するかしないうちに船はどんどん進んでいく。
船室には入らず、とにかく自転車のそばの外の椅子に座る。何やら慌ただしい出港だ。
でも、防波堤を超えるころふと後ろを振り返って、離れていく離島棧橋の景色で落ち着きを取り戻していた。

港を出ると船はいっそうスピードを上げていく。
外のデッキは船のエンジンの音でとにかくうるさいが、風がそれ以上に気持良い。
天気も良いし、海も眩しい。時折見えるリーフの淡いブルーも鮮やか。
二日酔いを除けば、しばし御機嫌。

幾つかの島を超えていくが、約1時間の海路、結構遠い感じもしてくる。
そんなにたくさん島があったかな?などと考えてるうちに海の様相が変わりだす。

外海に出たのは一目瞭然、先ほどまでとは違うボリュームのある波が船の横から押し寄せている。
船の揺れ方が変わる。やっぱり波を切って進むタイプの小型船なんだろうか?
時折船と同じくらいの高さの波しぶきがデッキの後方に降りかかってくる。自転車も当然多少なりともしぶきを浴びている。
一応サビ対策はしてきたがちょっと心配になってきた。
船が波の谷間にストンと落ちるような揺れも時々襲う。が、身体の浮き上がるような揺れがないところをみると、今日はまだそれほど揺れてないようだ。
まあ、予測でも帰りの方が揺れそうだし、これくらいなら以前通勤で使ったことのある「和○○バス」並み。
幸運だったようだ。二日酔いも幸いしてか、案外揺れを楽しんでいるうちに、船の先に島が見えてくる。
間違いない、波照間島だ。


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(c)S-ORA


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